2009年センター試験 第4問 問6
ここから熱力学の問題になります。
動画では定性的にそれぞれの変化を捉えて回答しています。受験物理的にはもっときっちり数式を使って解くものかと思っていたのですが、本屋で問題集を眺めてみても同じように定性的な議論で解いていますね。ここでは一応定性的な議論の裏でどういう数式、具体的には状態方程式を想定しているかを考えてみます。
まずA〜Dの各状態の状態方程式を立てます。状態Xの圧力、体積、温度とします。
ですね。
問題文(とグラフ)を読むだけで同じとわかるものがあります。B→Cは等圧変化ですので圧力が同じ()、C→Dは定積変化ですので体積が同じ()、D→Aは等温変化ですから温度が同じ()。これらを代入します。A→Bは断熱変化で単体の変数として固定になる変数がありません。
… (より)
… (,より)
A→Bは断熱膨張なので熱の供給無しに外側に向かって仕事をしています。したがって内部エネルギーが減るため温度が下がりますので。…では動画と同じなので、熱力学の第1法則を考えてみます。
これは気体の内部エネルギーの変化量、熱量の変化量、気体がされた仕事の関係式ですので、状態というよりは微分量になっています。A→Bの変化では断熱変化、つまり、です。したがって体積が増え、外部へ仕事をした場合Wが負になるためが負になります。また、内部エネルギーの変化は
です。(ただし単原子分子の場合です。)ということはが負の場合、が負になります。したがってがわかります。
あとは比較的簡単で、B→Cはが固定ですのでとが比例の関係になっています。グラフから[tex:V_Bとなります。また、c→dはが固定ですのでとが比例の関係になっています。グラフからとわかりますから(より)となります。T_B]
[tex:V_B